税理士試験の勉強場所は独立開業後を意識してコワーキングスペースで!
2017/07/17
税理士の資格取得後に個人での独立開業を目指している人は、資格取得を目標にするのではなく、独立開業後の顧客獲得までを見据えておく必要があります。
税理士の仕事とは?独立開業して収入を得るためにはどうしないといけないのか?
税理士になるには11科目中5科目の合格が必要です。1度の試験で5科目同時に合格する必要は無く、1科目ずつ積み上げていけるので働きながら合格を目指す人もいます。ただ最終的な合格率は例年2%前後といわれており非常に難関です。
そんな税理士は、税とともに会計の専門家でもあります。その知識をいかして企業の会計業務、経営コンサルタント業務、税務相談など仕事は多岐にわたります。
なかでも、税務調査の立会いなどの税務代理、相続税申告書など税務書類の作成、相続・贈与や税金の算出方法などの税務相談の3つは税理士の独占業務となっています。
独占業務があるうえ仕事が多岐にわたるので開業したら勝手に仕事が入ってくるかといえば、そう簡単ではありません。やはり自ら営業し顧客開拓をしなくて収入はゼロのままです。しかし顧問税理士がいる企業が多く、中には企業内税理士がいることもあり、いきなり開業したばかりの税理士が営業に行くのは非常にハードルが高いです。
そのため独立してから日が浅い税理士は、顧客を求めて異業種交流会や経営者が集まるイベントなどあちこちへ行くことになります。そしてようやく顧客を掴んだら、ずっと安泰というわけではありません。景気次第では顧問先企業が廃業してしまったり、他社に吸収合併されてしまうこともあるからです。
税理士試験の勉強場所にコワーキングスペースを活用すれば、独立開業後にもつながる
税理士に限らず資格取得のための勉強場所を探している人が多くいます。そこで勉強場所の選択肢として出てくるのが自宅・図書館・有料自習室・カフェです。多くの人はまず、自宅では集中できないからと図書館の利用を考えます。しかしながら、最近では自習利用を禁止する図書館が増えています。また、仮に自習可能でも図書館の閉館時間が早く仕事帰りや専門学校帰りに利用できないということで、有料自習室やカフェを使う人も多くいます。
その一方で最近は全国にコワーキングスペースが増えていることをご存知でしょうか。コワーキングスペースというとフリーランスが仕事をする場のようにイメージされる方が多いですが、勉強場所として利用される方も多くいます。
これまでは都心部にしかコワーキングスペースがなかったため、勉強場所としての選択肢になりにくかったのですが、最近は地方や郊外にも増え、多くの人にとって勉強場所を考える際の選択肢のひとつとなっています。
税理士試験の勉強場所にコワーキングスペースを利用するメリット
利用者同士の交流がある
コワーキングスペースは、図書館や有料自習室、カフェと異なり、利用者同士のコミュニティがあることが大きな特長です。有料自習室の方が同じ資格を目指す仲間が見つかりそうに感じますが、実際には会話厳禁のルールを設けている有料自習室が多く利用者同士の交流が生まれにくいのです。
物音ひとつしない静寂の中で勉強に集中したい方には、コワーキングスペースより有料自習室の方が向いているかもしれません。
交流を通して勉強につながるとともに、将来の顧客につながる人脈形成ができる
コワーキングスペースは起業家、フリーランス、会社員で副業をしている人、インターネット上で仕事している人、現役士業など様々な人が利用しています。そうなるといわゆる専業サラリーマンと違って確定申告が必要になるなど、税金や会計について何かとわからないことが出てきます。
しかもそれが、ちょっとした仕訳などわざわざ税理士や税務署に相談に行くことのほどでもなかったり、そもそも税理士や税務署に相談が必要な内容なのかすらわからないことがよくあります。そんな彼らのちょっとした質問や相談を聞くことは、自分にとって何よりの勉強になります。
それにもしかしたら、これがきっかけで将来の顧客になる可能性がありますし、税理士を探している人を紹介してくれるかもしれません。いわば異業種交流会に参加しているようなものですね。
また、起業家や開業している資格取得者(現役士業)などから話を聞いておくことは、税理士として独立開業した後にきっと役に立ちます。
独立開業後の営業に必要なホームページ作成ができる
税理士として独立開業したら、自分を売り込む必要があります。今はその必須アイテムとしてホームページがあげられます。Facebookだけでよいと思われるかもしれませんが、高度な信用性が必要な税理士ならどうでしょうか。自分がインターネットで調べ物をするときのことを考えれば、きちんとしたホームページが必要であることが実感できると思います。
このホームページを自分ひとりでゼロから作るにはかなりの知識が必要です。かといってホームページ制作会社では料金が高すぎたり、好きなときに自分で記事を更新できないことがあります。その点、コーワキングスペースはシステムエンジニアなどホームページ制作を得意とする人が多く利用しているので、自分に合ったホームページの制作を依頼したり相談できるメリットがあります。
このようにコワーキングスペースを利用すると、試験勉強に集中する場を得られるとともに多様なメリットがあります。もし、顧客獲得につながる人脈形成やホームページ制作の面で何もしないまま試験に合格し、独立開業したらどうなるでしょうか。
科目数が多く難関の税理士試験ですが、資格を取得するだけでは収入が発生しません。独立開業する場合は、自ら顧客開拓をして仕事を誠実にこなして初めて収入が発生するのです。独立開業後に収入を得ることをゴールとするのであれば、コワーキングスペースで勉強することがとても有効です。